●「古事記」「日本書紀」の虚実
戦争中の歴史教科書では, 「神武・・・今上」まで124代にわたる天皇
制とそれ以前の"天照大神宮神話"を軸にしたものだった。そして戦後は
それは全面的に否定してきた。しかし,その部分に古代の地名に比定でき
るものがあるので,川崎の古代に関係するとされるもののお話を。
●悲劇英雄「タジマモリ」登場
古事記・日本書紀の「第11代垂仁天皇の紀元88年」の項に「天皇が田
道間守(タジマモリ)に命じて常世国に遣わして非時の香菓を求めしむ」
とあり,やがてタジマモリは常世国から非時の香菓を持ち帰る。しかし,
そのとき天皇は死んでおり,タジマモリはその墓の前で泣きつくした。
●「常世国」に非時の香菓(橘)を求めて
これは忠誠の昔話である。この話は太平洋戦争期に小学校が変えられて作
られた「国民学校」の教科書に教材として登場し,たちまちタジマモリは
人気スターになった。そして敗戦とともに消えた。ところが続きがある。
その『記紀』には,香菓とは「今橘というはこれなり」とある。
●「非時の香菓」って「橘」・「常世国」って「川崎」のこと?!
岩波書店発行の日本古典文学大系の『日本書紀』の巻に「武蔵国に橘樹郡
あり,この群内に橘樹・三宅の二郡存する(田道間守は三宅連の祖)」と
の頭注がある。なんだこれは川崎の話なのか。それならば「常世国」とは
支配地の果てで非時の香菓の実るところって「橘樹郡(川崎)」なのか?
2012.1.1/今井克樹
川崎の地名
「古事記・日本書紀」の中の川崎①
2012年1月1日





